東京新大学野球連盟 対談紹介
(平成10年)

対談者

松井 明けましておめでとう。
武藤 おめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。
松井 昨年の活躍は素晴らしかったね。
レギュラーを取り0.282という高打率もそうだけど、規定打数に達して 併殺打ゼロというのはプロ野球でも25年ぶりの快挙だそうだね。
武藤 お陰様で、無我夢中でやっていたら良い結果が出ました。
松井 プロのスピードに慣れて、後半は武藤のスピードをアピールしたけれど 最初はとまどったでしょう。
武藤 イチロー選手のゴロをノーミスで処理したのにセーフになった時は 「何だこれは! 陸上選手じゃないか」と思いました。
松井 塁に出て落合選手と話したりするの?
武藤 ハイ。「武藤。お前は走って何ボだから次の球走れ」。なんて言われて 夢中で走ったらセーフになりました(笑)。
松井 あのクラスになると敵とか味方とかいうよりもプロ野球全体観に立って 新人を育てようとしている様だね。
武藤 そういう感じがしました。
松井 プロ野球選手として活躍している姿をお父さんに見せたかったね。
武藤 ハイ。父が生きていたら本当に喜んでくれたと思います。
松井 私と同年代なので親しみを感じていました。大学時代、リーグ戦には必ず スタンドで貴方のプレーを見ていたね。創大が一塁側なのに一人だけ三塁側に 陣取って息子の守備の近くでビデオを撮っていた姿が目に焼きついています。
武藤 松井さんには本当に親子でお世話になりました。葬儀の時出棺する中に 連盟のパンフレットを入れてくださった事は忘れません。
松井 丁度、貴方が一年の秋、リーグの5冠王になった写真が載っていたので 持参して良かったと今でも思い出します。海外にも良く遠征したね。
武藤 ハイ。モスクワ、北京、パラオに連れて行っていただきました。 そして日米大学選手権に選ばれてアメリカ。プロに入ってサイパンにも 行かせていただきました。
松井 パラオではプロにドラフトされた直後なのでプレーはしなかったけど、 グランドの石ひろいや、草むしり、土手の上でファールボールを追いかけた姿を 大統領が賛嘆して表彰されたんだよね。
武藤 創大の岸監督から教えられた通りに当然の事としてやった事が新聞にも 大きく報道されて驚きました。
松井 パラオ共和国として独立一周年であり、戦後50周年記念行事として三ヶ国の 政府が後援した大会でもあったので、マスコミの注目も大きかったからね。 大統領としても国の若い人の教育に悩んでいたので「どうしたらそういう教育が できるのかを創価大の創立者である池田先生に教えていただきたい」と 語っていました。この気持ちをプロになっても生涯忘れず持続してほしいと思います。
武藤 ハイ。肝に銘じて忘れません。
松井さんには学生時代から多くの有名人を紹介していただきましたね。 横綱の曙関。山本譲二さん、研ナオコさん。高橋ジョージさん。諸星さん、 トキオの松岡君等々。
松井 プロ根性を学んでほしいという気持ちと、ダイヤモンドの原石を磨くのは ダイヤモンドでなければならない様に、人間を磨くのは一流の人間に 会わなければならないと私も教えられ本当にそうだと思っています。 だから、これはと思う若い人材には各界の一流の人に会って成長してほしいと 思っているのです。
武藤君は私の期待通りに、いやそれ以上に成長してくれたので心から喜んでいます。 ファンの方々も多いと思うのでそろそろ身を固めてはどうかな?
武藤 まだまだ野球一筋でそんな余裕はありません。
松井 「武藤は足が速いが手も早い」(大爆笑)なんて週刊誌に書かれない様に 気をつけてね。
武藤 まだ合宿所生活なので大丈夫です。もしそういう事になったら一番先に 報告しますのでよろしく御願い致します。
松井 それでは本年の大活躍を期待しています。
武藤 ありがとうございます。本年も頑張りますのでよろしくお願い致します。 本日はありがとうございました。


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