昭和61年 全国大学野球選手権
(東京新大学野球連盟代表)

代表校:流通経済大


昭和61年6月11日 神宮球場 1回戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9
愛知工業大(愛知大学) 0 0 0 0 2 2 0 0 0 4
流通経済大(東京新大学) 0 3 1 0 2 0 0 0 × 6

流通経済大は二回、丸がカーブを中前打。続く寺田庄は初球を右前打して一、二塁。 一死後、寺田憲が内角高めの直球を左翼へ打ち込んだ。鮮やかな一打で打線はすっかり自信を持った。 五回には二盗塁と足を絡め二、三塁から寺田庄の適時打で効率よく加点した。

「悔しいが完敗です。」よもやの初戦敗退、しかも頼みの主戦西崎が六失点と打ち込まれ、 愛知工業大の川合監督はがっくり。痛かったのは二回の三点本塁打。一死一、二塁から 寺田憲に内角高めのボール気味の球を左翼席へ打ち込まれた。立ち上がり、 決め球のスライダーが決まらず球が走らなかったことも「リズムに乗り切れなかった原因の一つ」と西崎。 「奪三振男」の前評判通り、13三振を奪ったが、西崎は「負けてはしょうがないでしょう」 と吐き捨てるように言った。
(記事は朝日新聞より引用)


昭和61年6月13日 神宮球場 準々決勝戦
1 2 3 4 5 6 7 8
近大工学部(広島六大学) 3 2 0 0 0 0 0 0 5
流通経済大(東京新大学) 0 0 0 1 6 1 3 12×
(8回コールド)

流通経済大は五回、3安打と2四球で二点差とし、なおも二死満塁。佐藤の二飛を 野手が落球して同点。続く寺田憲が二塁打して逆転すると、あとは勢いに乗って打ちまくった。 近大工学部のミスに助けられたとは言え、すさまじい反撃だった。と同時に、 二回途中から救援し、近大に追加点を与えなかった一年生八野田の好投も見逃せない。

近大は二回までに9長短打で五点を奪った。それだけに、逆転のきっかけとなった 落球が悔やまれる。

流通経済大が、愛知工業大を破った勢いでこの日も序盤の五点をひっくり返す逆転劇を演じた。 就任二年目の大田垣監督は「まさかこんなに打つなんて。練習でもできないことを やってくれた」とびっくり顔。52年に創部、今回が初のベスト4。準決勝は 法大との対戦だが、「練習試合の相手もさせてもらえない強豪。試合ができるだけでもうれしいです」 と同監督は無欲を強調していた。
(記事は朝日新聞より引用)


昭和61年6月14日 神宮球場 準決勝戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9
流通経済大(東京新大学) 0 0 1 0 0 1 1 0 0 3
法政大(東京六大学) 0 0 2 0 0 0 0 0 0 2

流通経済大が法大に快勝した。一点を追う流通経済大は六回、中前打の寺田庄をバントで送り、 寺田憲の安打と高橋の犠飛で同点。七回にも中前打の伊藤がバントと内野ゴロで三進すると、 茂木が一塁強襲安打して、決勝点とした。

法大は三回、横山の安打から高木、平田の連打、バントと盗塁を織り交ぜて 二点を挙げ逆転。調子を取り戻したかに見えた。だが、三失策が物語るように リズムに乗れず、流通経済大の追撃を許した。好投とは言えない石井を続投させ、 主戦猪俣への切り替えが遅れたあたり、法大は心のゆるみがあった、と言われても 仕方ないだろう。

法大を破った流通経済大の大田垣監督は「奇跡、夢です。夢がかないました」と 声を震わせた。法大は「練習試合にすらなってもらえない格上のチーム」(大田垣監督)。 だから勝てるとは「最後の最後まで思えなかった。選手一人ひとりを見たら格が違いますよ。 だから、ただ元気を出せ、いい顔をして野球をしろ、とだけ言い続けた」そうだ。 それが、リーグ戦で救援で二試合に登板しただけの一年生の八野田が、度胸のいい投球で 法大の強打線を抑え打線もよく石井を打ち込んだ。

「よく投げ、よく打ってくれた。みんながヒーローです」。昨年1月に監督になって以来、 「全国大会に出て勝ってこそ名前が知られる」と勝つ野球を強調。「元気を出せ」 「ハッスルしろ」とさけび続けてきた。決勝の相手は「いつもオープン戦で胸を借りている」 という東洋大だ。今春は0−6、五回降雨コールド負けしている。しかし、選手は 「いいグラウンドなので力以上のものを出している」(同監督)と、控えめだが勢いに乗っている。
(記事は朝日新聞より引用)


昭和61年6月15日 神宮球場 決勝戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9
流通経済大(東京新大学) 0 0 0 0 0 2 0 0 0 2
東洋大(東都) 1 3 3 0 0 0 2 0 × 9

両校の戦力比較から、流通経済大が勝つには、先手を取って東洋大の焦りを誘い、 小差で逃げ切るしかない。

流通経済大は一回、先頭の小菅が左越え二塁打、鎌田が三塁線にバント安打して 無死一、三塁と絶好の先制機をつかんだ。だが、茂木の二ゴロで三塁走者が本塁でアウト。 さらにヒット・エンド・ランの失敗で二塁走者が三塁で刺された。

ピンチを切り抜けた東洋大はその裏、2四球とインフィールドフライを落球、 この処理を誤って走者を進塁させる高価な失策に恵まれ、内野安打一本で一点を拾った。 これで試合の流れは東洋大に大きく傾き、二、三回に三点ずつ追加して早くも 大勢を決めた。

流通経済大は二回以降も初球から打って出る積極打法で六度も得点圏に走者を出したが、 ものにしたのは下位打線で挙げた六回の二点だけ。確実に点を取っていく手堅い 攻めがあったらと惜しまれる。

流通経済大の八野田は敗戦にも「この大会で自信をつけました」とさっぱりした表情。 近大工学部戦、法大戦で自責点0のロングリリーフを務め、決勝進出の原動力となった。 この日は二回途中から救援、五点を失い「東洋大の執念はすごい。粘りのある打線です」 と話した。
(記事は朝日新聞より引用)


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