平成8年 東京新大学野球連盟2部秋季リーグ戦

このシーズン、陽三は卒業論文が忙しくて、チームからは離れていました。よって、リーグ戦の細かい結果もわかりません。ただ、入れ替え戦は見に行きました。 ※今季の杏林大の入れ替え戦を観戦しての筆者・山口の雑感を別のページに書いてます。興味がある方はどうぞ→こちら


入れ替え戦


平成8年11月16日 日本工業大学グランド 1・2部入れ替え戦第1戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9
杏林大(2部1位) 0 0 1 2 0 1 0 1 0 5
日大生物(1部6位) 0 0 1 2 0 2 1 0 × 6

9勝1敗で2部を制した杏林大が昨年秋に続いて入れ替え戦に臨んだが、日大の前に善戦しながら及ばず、第1戦を落とした。

リーグ戦でそれほど打線が打ったわけでもなかった杏林だが、日大先発・中沢から、3回に村山の適時2塁打で先制。追いつかれた後の4回にも山本貴の2点適時2塁打で試合を優位に進めたが、先発のエース・井澤もピリッとせず、4回裏にも簡単に追いつかれる。そして同点で迎えた6回、杏林はこの回からリリーフに立った日大・亀井から代打山本正の適時打で三たび勝ち越すもその裏井澤が被安打1ながら4四球・2暴投でついに逆転を許す。結局その後両チーム1点ずつ取り合ったものの、日大が亀井の好投で辛うじて逃げ切った。

平成8年11月17日 日本工業大学グランド 1・2部入れ替え戦第2戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9
日大生物(1部6位) 0 3 1 0 0 3 1 0 0 8
杏林大(2部1位) 3 0 0 2 0 0 0 1
(9回サヨナラ)

第1戦を落とし、あとがない杏林大が、追い詰められたところから逆転サヨナラ勝利を収めた。

杏林は1回に日大先発・石川を攻め、大越の適時打や重盗等で3点を先制。しかし第1戦に続いてこのリードもまた守れない。先発の中山が2回2死無走者から4連続四球と有田の2点適時打であっさり追いつかれる。その後杏林大は村上貴の2点適時2塁打でリードし、3回から登板していた2番手の渡辺がふんばっていたが6回に日大は本山の2点本塁打で逆転。さらにリードを広げ、5回からは第1戦で好リリーフを見せた亀井を投入していたが、粘る杏林は8回に、この1年間不振に苦しみ続けた主将・宮野の適時2塁打で追い上げ、9回には連続四球で同点の走者を出す。ここで大越のバントが三塁手の悪送球を誘い、2者生還して同点の上、無死3塁のサヨナラの好機。この好機に、第1戦でいいところのなかった4番の飯塚が右犠飛を打ち上げ、杏林がサヨナラ勝利。あとがなかった杏林だが、この大事な試合で、今まで頼りっぱなしだったエースの井澤を結局使うことなくサヨナラ勝利。流れを引き込んだ2番手投手・渡辺の投球が光った試合だった。

平成8年11月23日 創価大学グランド 1・2部入れ替え戦第3戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9
杏林大(2部1位) 0 0 0 0 1 0 0 0 2 3
日大生物(1部6位) 0 0 0 0 2 2 0 0 × 4

第1戦・第2戦と接戦が続いたこのカードだが、雌雄を決するこの第3戦も熱戦となった。

杏林・井澤、日大・亀井と、両チームとも最も信頼できる投手を先発させてきたこの試合は、序盤から投手戦。しかしその均衡を破ったのは、多分相手投手を右と読み違えて起用された左の渡部(亀井は左投手)。5回に渡部のソロ本塁打で杏林が先制。しかしこの一発で試合が動き、5回裏に日大は2死3塁からのバッテリーエラーで追いつき、さらに永田の適時2塁打で勝ち越し。6回にも無死2.3塁の好機が井澤のがんばりで2死2.3塁になるも、小倉・鷹島の連続適時打で日大が突き放す。一方の杏林打線は日大2番手・中沢をとらえられず、3点ビハインドのまま9回まできたが、ここから試合が盛り上がる。1死から、ラッキーボーイ的存在の山本貴の一ゴロが敵失を誘い、1死1塁。そしてこの入れ替え戦で当たっている山本正がまたも代打で安打を放ち、1.2塁。さらに村山の三ゴロを今度は三塁手がトンネルし、満塁。一気に同点の好機が膨らんだ杏林は、ここで主将の宮野が2点適時打を放ち1点差。1.2塁として今の杏林打線で最も期待のできる村上貴に打順が回り、一気に逆転ムードが高まったが村上貴は際どい球を見逃し三振。続く辻も遊ゴロに倒れ、試合終了。日大はまさに薄氷を踏む思いの末に勝利を拾い、杏林は連盟加盟後10年目にして1部に最接近したもののあと一歩及ばなかった。


平成8年11月16日 日本工業大学グランド 2・3部入れ替え戦第1戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9
日本工業大(3部1位) 5 0 1 4 2 0 0 0 1 13
東京外国語大(2部6位) 0 0 3 0 1 3 0 2 0 9

3部を8勝2敗で制した日本工業大と、2部昇格後最初のシーズンを全敗という結果で最下位で終えた東京外国語大、「日工有利」の大方の予想通りの試合となってしまった。

日工は初回にバント安打2本に木村の先制打、瀬辺の2点適時打等、やりたい放題の攻撃で5点を先制。追い上げられた4回にも工藤の適時打、そして瀬辺の2点適時3塁打に敵失も絡み、この回4点。すでにどちらが2部だかわからない雰囲気の試合となってしまったが、外語も6回から代わった日工・服部の5四球等で3点。8回にも2点を返し、一応の反撃を見せるものの、やはり序盤の失点が大きく結局及ばず。1試合目にして外語の3部逆戻りが見えてきた。

平成8年11月17日 日本工業大学グランド 2・3部入れ替え戦第2戦
1 2 3 4 5 6 7 8 9
東京外国語大(2部6位) 0 0 0 1 0 1 0 0 0 2
日本工業大(3部1位) 0 2 0 0 3 0 0 2 × 7

2部復帰に王手をかけた日工大が実力の差そのままに外語を振り切り、5季ぶりの2部昇格を果たした。

日工は2回に工藤の適時打と敵失で2点を先制。4回に1点を返されるものの5回には、3部転落時から4番を務める強打者・木村に3点本塁打が出てリードを広げる。外語も日工先発・増田、そして2番手の真田から好機は作るものの今一つ打線につながりを欠き、結局2点止まり。2試合で5人の投手を注ぎ込み、また、野手もしっかりとした野球を展開した日工が、平成6年秋に東京農工大と入れ替わりで3部転落を味わって以来、最初の挑戦で2部昇格を果たした。

一方、打線のつながりでこの年の春に3部を制し、東京都立大と入れ替わりで2部昇格を果たした東京外国語大は2部でのリーグ戦に全敗。2部昇格の立役者のエース・北島の退部も影響し、1シーズンで3部に逆戻りしてしまった。


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