(山口陽三筆)
7月24日(土) | 7月25日(日) | 7月26日(月) | 7月27日(火) | 7月28日(水) | 7月29日(木) | |
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6:00 | ガイド | |||||
東山球場着 | 盛岡発(JR) | 大間発 (フェリー) | ||||
7:00 | 一関大会 | ↓ | ↓ | 朝食 | ||
8:00 | 迷い | |||||
十和田湖発 (十鉄バス) | 函館着 | |||||
9:00 | 十和田南着 | ↓ | ||||
函館オーシャン スタジアム | 円山球場 | |||||
10:00 | 出発 | 十和田南発 (秋北バス) | 十和田市着 | |||
↓ | メイプル スタジアム | |||||
11:00 | 十和田湖発 | 三沢着 | 函館発(JR) | 新千歳空港着 | ||
信行寺着 | 東山球場発 | 三沢高校 | ↓ | |||
12:00 | 祖母 四十九日 | ↓ | 十和田湖 遊覧船 | 三沢発 | 新千歳空港発 | |
↓ | ↓ | ↓(飛行機) | ||||
13:00 | ↓ | 散策および 昼食 | 野辺地 | |||
↓ | ↓ | ↓ | 羽田空港着 | |||
14:00 | 岩手県営球場着 | 下北 | 札幌着 | |||
高校野球岩手 (盛岡大付VS盛岡四) | ↓(バス) | 札幌南高校 | ||||
15:00 | 岩手県営球場発 | チェックイン | チェックイン | |||
大間崎着 | ||||||
16:00 | 一ノ関着 | チェックイン | 昼食 | |||
一関運動公園 | 最北端に 立ち尽くす | |||||
17:00 | チェックイン | 盛岡第一高校 | ||||
チェックイン | ||||||
18:00 | 夕食 (チーム) | 散策および 夕食(麺) | 風呂・散策 | |||
夕食 (和食御膳) | ||||||
19:00 | ||||||
夕食 (まぐろ) | 夕食 (ビール園) | |||||
20:00 | ||||||
所属する「相模原クラブ」の遠征で、初めて一関へ。まして大会翌週は会社の夏休み。 行ったことのない県の中に青森県がある。これを利用して一関遠征後に北に流れる 一人旅を思いついた。一関大会の数日あとには北海道にて社会人野球の北海道大会もある。 そのまま北海道に流れてこれを観戦して帰ってくれば野球人としても満足。 そんなプランを漠然と描いた。
野球は一関と北海道として、間の青森はさて何があるのか。興味のある景観として十和田湖は思いつき、 地名として青森(市)・弘前・八戸・木造など出ては来るが位置関係も含めてピンと来ない。 弘前には城があったりするし青森・弘前あたりは比較的開けていて野球場も見られそう なので十和田湖→弘前→青森→北海道などのルートを考えてみたりする。 そういえば大間がまぐろで有名で、食べてはみたいがいったいどうやって行くのか。 調べてみたら弘前とは逆方面で完全に無理だ。いやしかし、いっそ弘前・青森を捨てる選択肢はないか。 大間からは北海道にも渡ることができる。十和田湖から大間への移動は大変だし、 大間で野球に絡めそうもないが、移動途中でメイプルスタジアムや三沢高校に寄ることもできそうだ。 かくして二者択一の末、青森県東側、大間を選択した。
7月24日(土) ---四十九日〜一関---
旅の始まりが、と言ったら不謹慎かもしれないが、祖母の四十九日がスタートだった。
東京都内信行寺にて母方の祖母の四十九日法要。相模原クラブは遠く一関で大会1回戦を
戦っており、これまた不謹慎にもそちらの経過も気になりながらの法事だった。
姿は黒の礼服、持っている荷物はユニホーム等の野球道具一式と、旅行荷物一式という、
不思議な格好での旅立ちだった。
法事が始まる前に1回戦突破の報が入る。負けていればユニホームは両親に預けて北に
向かおうかと思ったが無事勝利。法事後に礼服だけ預けて一路北へ。
おばあちゃん、こんな孫ですみません。安らかにお眠りください。
池袋→大宮→仙台→一ノ関と乗り継いで16時すぎには到着。後輩に迎えに来てもらった上に 「日本の球場をめぐっているから今日試合をやった球場が見たい」とわがままを言って 一関運動公園野球場にも寄ってもらうことに。誰が迎えに来てくれるのかと思ったら 今日先発して8イニングを投げて勝利に貢献したT投手が来てくれて、疲れているところに これまた重ねて申し訳ない。球場はスタンドも整って、一関大会のメイン会場(大会は3会場で実施) として申し分ないのだろうと感じた。運動公園の中、ということで周囲に自然も多く、 松阪野球場あるいは伊勢の倉田山球場と似た印象を受けた。ただ、自分が試合をしていない だけに感慨は深くないなあ。
泊まるホテルには東京から来ている西多摩倶楽部もいる。夜、一ノ関駅近辺の 料理屋でクラブの面々と夕食会。終わって自由時間になって他の店に行ってみれば新潟のファイティングスピリッツの メンバーとも遭遇。いやいや一関大会、みんな狭い範囲に集まっていますなあ。
7月25日(日) ---一関・盛岡---
6時半、東山球場到着。まだ雨だったが徐々に小降りになった。この球場は来てよかった。 山の中腹あたりにあって周囲に何もなく野球をやるしかない環境。設備としては、 観客席も十分ではないことなどで一関運動公園に劣るだろうが、開放感があって、 個人的にはすごく気に入った。みんなが昨日の初戦を勝ってくれなければ来られなかった球場。 「連れて来てもらってよかった」心ですなおにみんなに感謝した。
![]() (東山球場と俺) |
|
試合は東京の強豪・全府中野球倶楽部と対戦。東京や神奈川で練習試合はよくやるが、 公式戦に限って遠く離れた一関で当たるとは不思議なものだ。序盤から点の取り合いになり、 かと言って四球連発、失策連発という内容ではなかったので締まってもいたと思うのだが、 好機で長打が出た相手と惜しくも出なかったうち。4-5で競り負けた。
盛岡駅に戻って1度ホテルにチェックイン。インターネットで冷麺・じゃじゃ麺など調査。 と言ってもプリントアウトはできず、「なんとなくこのへんの地域に行けば店があるらしい」 と頭に入れて再度外出。高校野球を見ていた時間は暑かったが夕方になり多少は 暑さが和らいだか。平成10年夏、岩手県立大学での学会発表以来の盛岡。当時も駅の周辺を 散策した覚えはあるが、ほぼ記憶に残っていない。ただし岩手山を見ながら北上川流域に たたずんだ覚えはあった。今回も北上川に立ち寄ったが、この川が汚い。 いや、12年前だってきれいだったかどうかは覚えていないのだが。
今日しかいられない盛岡、夕食には冷麺とじゃじゃ麺両方、を考えていた。 冷麺を食べ終わって店を出てじゃじゃ麺を探し回るが、さらにハードルが高い。 しかたない、携帯電話からインターネットにつないで検索。何店か発見するも住所だけの 表記なので場所の実感がわかない。○丁目、は1丁目がなければ2丁目はなく、2丁目がなければ3丁目がないはずだと考えて 駅側から1丁目が並んでいるのだろうと想定して歩いてみるがどうも様子がおかしい。 街中の地図などを見てみると、むしろ逆だ。そうか。金沢でのことを思い出したが、やはりここもそうか。 駅があってそれを取り巻くように町が発展していったわけではなく、町の中心はむしろ もう少し違う場所にあり、新幹線開通も見据えてか、ある程度大きい駅を作るのに土地が空いている場所に あとから駅を作った、という発展の仕方か。地方の大きい都市の駅だと意外とそういう形が多いのかもしれず、 「駅」と「住民の拠点」が必ずしもマッチしていないのかもしれない。 まあ、金沢駅も盛岡駅も、そうであると確認したわけではないのだが。
ようやくじゃじゃ麺を見つけて第2回夕食。お腹いっぱい。両麺とも写真撮り忘れ。
7月26日(月) ---十和田湖---
早朝に盛岡駅を出て電車で好摩駅を経由して十和田南駅へ。12年ぶりに訪れた麺の街(?)、盛岡を
16時間あまりの滞在であとにした。7時前の出発から9時半ごろの到着。
そして1時間のバス待ち。であるならば朝、ホテルでもう少しゆっくりしたいが、
十和田湖へのアクセスがよくなく、いろいろ考えるとこのタイムスケジュールになってしまった。
十和田南駅は何もない。軽く朝食でも食べられればと思ったが、店はない。
店っぽいものはあるが営業していない模様だ。ちなみにここの住所は秋田県になるらしい。
今回の旅では秋田県もかすったことになる。電車内で「今週のひとりごと」を書く。
十和田湖には最寄り駅がない。強いてあげるならばここ十和田南駅だが、最寄りでもバスで1時間程度かかる。 観光の興味を引く地ではあるが公共交通機関でアクセスしづらい。ただしブランド力には 魅力があるようで、以前TBS「噂の現場」で、八戸駅と二戸駅がいずれも「八戸十和田湖駅」「二戸十和田湖駅」と 十和田湖を冠した名前を命名したいと綱引きになっており、実際にはどちらが十和田湖に近いのか (物理的にだけでなく文化的に、なども)を検証したりしていた。結局どちらの駅にも 名前がついていないので、もめない形で一件落着したのだろうが、新青森駅までの 新幹線開通を紹介するどこかのボードで、新青森駅の手前に「七戸十和田駅」があるではないか。 結局七戸が取ったのか? なお、距離的には後述する六戸が、二戸・八戸・七戸よりもまだ十和田湖に近い。
バス車中から十和田湖 | 曇天ですね |
観光センター(?) | 開店休業状態 |
遊覧船 | これから乗ります |
船内風景 | 家族連れが何組かいた |
遊覧船は2コースあるが、ぐるっとまわって戻ってくる方のコースを選択。 1時間あまりの遊覧で、放送で見所を紹介してくれる。序盤から甲島・鎧島、 乙女の像、見返りの松、烏帽子岩などわりと立て続けに紹介。中盤は湖のまんなか辺で、 湖の生い立ち(噴火のこと)や周囲の山々や、今いる辺りが最深部であることなどの紹介。 そしてゆっくりと戻っていった。 ゆったりと時間が流れてなかなかよい時間ではあったが、曇り気味の天気ゆえか、 湖面の色がそんなに特徴的でも神秘的でもなかったのは残念だった。
出発... |
湖側から乙女の像 |
十和田湖と俺(船上) |
十和田湖と山 |
降りてぶらりと歩き、土産物屋がいくつかあるので入ってみるが、客も店員も 誰もいなかったり電気がついていなかったり。ようやく人の気配に気づいて 奥から店員が出てきて電気をつけるありさまだ。どこのお店も似たかんじで、 売っているものも大差ない。さびれていることを随所に感じさせる。 協力体制はすでに敷いているかもしれないが、地元の店舗同士で協力して 活性化させることを考えていくようなことは必要だろう。 つぶし合ってもいないだろうが、土産にしろ食事にしろ、店ごとに大差ない中で 限られたパイを奪い合ってもしかたない。 そんなことを思いながら「湖の見えるレストラン」とうたっている店に 昼食に入ってみたが、時間が多少悪かったのか、客は一人もおらず電気もついていない。 筆者が入ってようやく電気がついた。湖は見えるが晴れていないので景色はいまいち。 出てきた青森県産牛サーロインステーキはおいしい。
付近の土産店に入ってみる。主人が筆者と同世代か少し上くらいの人か。 小学生くらいの子どもが店内を走り回っている。やはり客はいない。なにげなく主人と話をすることになり、 いろいろと地元の事情を聞くことができた。十和田湖がさびれているということよりも 経済事情のおかげで旅行客そのものが減っているのだろうとか、8月になれば もう少し観光客も増えてくるだろうとか。ただ、不振が続いているのも認めていて、 バブル時代の大型リゾート開発のあおりを受けて、当時背伸びはしてみたけれど バブルがはじけて借金だけが残ったとか、残った資産を安く買いたたく外資がいるとか。 そのあたり、聞けてよかったと言えばよかったが、まあ、考えられる範囲の話でもある。 ただ、やけに「(大型リゾート開発の)政策が悪かった」「参議院選挙が7月にあったので今の 客足が伸びてこない」と、やたら政治のせいにしているのは気にはなった。 影響がないとは言わないが、そういうことだけでもないだろう。 さらに話は続いて、旅先での人の縁はなんてことないことだが貴重でいいものだとか、 せっかくの縁だから明日大間に行かれるなら乗り捨てのレンタカーという手段もお勧めしよう、とか そんなふうに話は発展した。旅先で温かい人情に触れた思いがして、 この店での雑談は貴重で印象深い時間になった。
チェックイン後、再び十和田湖を散歩。レンタカーを兼ねているというガソリンスタンドに 行ってみたが、所有が1台しかなく、明日は予約済みという。残念。 予定通り電車・バスでの移動としよう。歩いているうちに両国橋という橋を見つけた。 小さな橋だが、橋の片側が青森県、もう片側が秋田県という。十和田湖が両県に またがっていることは知っていたし、秋田県自体にも今朝いたわけだが、 こんなところで両県を股にかけることができるとは。
それにしても十和田湖の一日は長い。戻って風呂に入ってホテルのラウンジでたたずんで、 まだ夕食には時間がある。ホテルにはテレビもあり、インターネットコーナーもあるが、 湖を見ること以外にやることがない。どの角度から湖を見るかということくらいの バリエーションだ。ただ、これはこれでよい。四万十川のときも感じた、都会からは遠く離れたスローライフ。 時間がゆっくり流れる。ホテルでの和食御膳の夕食はボリュームたっぷり。 十和田名物らしい「バラ焼き」をどこかで食べられないかと思っていたが、 心配することなく、夕食についていた。おいしくいただいた。夕食にはきりたんぽも。 こちらは味付けが合わなかったか(濃い?)あまりおいしくいただけなかったが、 なるほどここでも秋田色は出るのね、と感心した。
部屋に戻って十和田湖のりんごワインを飲みながらテレビ。これまたあまりお口に合わない。 でもまあ、ゆったりした一日。
十和田観光ホテル | あとで知ったが昭和天皇も宿泊 |
部屋の風景 | 一人にしては十分 |
夕食-1 | 和食御膳 |
夕食-2 | きりたんぽ鍋とバラ焼きも |
食堂風景 | 月曜日の宿泊だがそこそこいる |
夕食メニュー説明文 | |
夕闇の十和田湖 | ラウンジにて。俺抜き |
7月27日(火) ---秋田県境→本州最北端へ... 青森縦断---
散策ガイド風景 |
十和田神社 |
乙女の像 |
小さい乙女と大きい俺 |
8時すぎに十和田湖を出る十鉄バスで十和田市駅に向かう。約20時間滞在した十和田湖とお別れだ。 ゆったりとしたおおらかな自然(湖)は印象に残った。観光地としての低迷ぶりは残念だった。 1時間半ほどで十和田市駅に到着。十和田と名はつくがここは普通の街だ。 軽く朝食を食べてタクシーに乗る。「メイプルスタジアムを見学したいので、まずそこに 行ってもらってそのあと最寄り駅に降ろしてほしい」と依頼。事前に調べてメイプルスタジアムの 最寄り駅は十鉄「柳沢」駅らしいとつかんだのだが、ここが無人駅という。 最寄りと言っても歩くには遠い。ただし無人駅ではタクシーを拾えるか恐い。 かくして十和田市駅からタクシーという選択にした。
球場はどうなのかと聞いて「いい球場ですよ」との答え。ただしあまり話も広がらず、 運転手さんも詳しくなさそうだ。高校野球で使っているのは知っていたのだが それにしては交通の便が悪いのではないかと聞いてみると「うちの会社で臨時バスを出したり タクシーをお使いいただいている」という。なるほど確かに筆者も十和田湖から 十和田市までのバス、十和田市から球場までのタクシー、その後予定している最寄り駅から三沢駅までの電車、 すべて十和田観光電鉄にお世話になる。ローカルな地域で欠かせない交通網になっている ことがわかる。
山を少し上がって行ったような感覚、周囲にはこれと言って何もない空間、 土地だけはあるその場所に、総合運動公園が広がった。 地方にありがちではあるが、ここはより「何もない、中心地から離れた場所」と感じさせる運動公園。 市でもない「町」、失礼ながら知名度もそんなにない、主要産業は農業というこの地に、 必要性にすら疑問符もつく、立派な野球場(正式名称「六戸町総合運動公園野球場」)。運転手に「いい」と聞いていたことはあるが、 着いて遠くから見てすぐに「ああ、いい球場に来た〜」と感じた。火曜日ということでか、 野球場に限らず運動公園に人影がないのも「らしい」と言えば「らしい」。 快晴の天候ともあいまって印象深い光景の球場になった。来てよかった。 やはり快晴の中の地方の運動公園、松阪野球場(三重県)を少し思い出したが、それより立派。
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最寄り駅と言ったはずが運行距離から言っても柳沢駅を通り過ぎている模様だ。 どこに向かっているのかと聞くと三沢駅だという。確かに今後の行程として三沢高校に 行くという話はタクシー車内でしたが、三沢駅に送ってくれとは言っていない。 方言は気にならなかったがイントネーションの違いなのか、道中何度か会話の意味が通じにくい と感じることはあったがこんなところで表れた。大曲駅で降ろしてもらった (ちなみに秋田県の大曲とは無関係)。 大曲駅で電車を待つこと30分ほど。無人駅であることに加えてこれまた何もない空間だ。 線路一本のすぐ横から田んぼ。なかなか見られないと言えば見られない光景だ。 大曲駅発11時すぎ。山・森・農地に、タクシー運転手との雑談、そして周囲の景観と比べて いささか違和感のある立派なメイプルスタジアム。たった1時間ほどしかいなかった六戸だが、 今回の旅でも印象に残る土地となった。
大曲駅 | 線路・田んぼ・山・空 |
大曲駅と俺 | 小倉南インターを思い出す 今日に限って快晴、暑い |
ほどなく到着した三沢高校野球部グラウンド。学校から離れた場所に運動部の練習場を 設けるケースは多々あるが、この高校の場合は野球部のグラウンドだけという。 昭和44年夏の甲子園、松山商との決勝戦延長18回引き分け再試合の末の準優勝。 筆者は生まれる前のことではあるが話としては伝え聞いている。東北以北初の甲子園優勝か ということでも盛り上がったことであろう。ましてや青森県勢はおそらくだが高校野球が弱い方という 位置づけの時代だっただろう。さぞ盛り上がったと思われる。 運転手さんはたまたま当時三沢にいなかったというが、 街から人が少なくなった(甲子園に行ったという意味か家にこもってテレビ観戦か...) という逸話はあったらしい。このグラウンドはそれを受けて新しくできたものということで そういう意味では筆者の「甲子園出場校のグラウンド」のリストに、 厳密には入らないものであるが、まあそれはそれでよい。ただ、その三沢高校も今は 部活動にそんなに力を入れていないとのこと。着いた日は火曜日の昼間。 甲子園の予選は終わっていて新チームは始動していていい時期だがグラウンドは 閉まっていて誰もいない。たまたま休みか遠征だったのかもしれないが、 そんなに力を入れていないという話もなんとなくわかる気もした。 グラウンドは、外野の芝がポジションの辺りがはげたりはしているが、 十分な専用グラウンドと見えた。
三沢駅にて | こけし |
三沢高校グラウンド-1 | バックネット・照明・ベンチ・外野フェンス等 一通りあることがわかる |
三沢高校グラウンド-2 | 主に外野を撮影 少し芝がはげ気味の箇所も |
正午過ぎの三沢駅発。1時間ほどの三沢滞在。空港や飛行機を見ていないので「空の街」の
印象を感じるわけでもなく、あまり印象なく通り過ぎたかんじだ。
まだまだ遠い最北への行程。野辺地駅を経由して本州最北の駅・下北駅の
到着が14時。バスに乗り換えて下北半島を走り、本州最北の地・大間への到着が15時半すぎ。
ついに来た、大間。テレビの中では渡辺えり子が犯罪者役で逃げ延びてきた最果ての地
(あとで調べたら逃げてきたのは田中美佐子で、渡辺えり子はそれをかばっていた役らしい)、
今は亡くなった深浦加奈子がボクシングを題材に、未婚の魅力的な女性を演じた
NHKの連続テレビ小説の舞台の一つ(田畑智子主演の「私の青空」と言った方が数倍わかりやすい)。
渡哲也がマグロ一本釣りのドラマに出た舞台。来たぞ大間。
15時半すぎの大間崎バス停到着から、遅めの昼食(海鮮丼)と土産・観光を含めても 17時半すぎの次のバス(宿泊先の大間港方面に向かう)まで時間がある、ある。 ながめるのは海。以上。スローライフだ。 |
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![]() 一本釣りモニュメントと俺 |
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![]() 本州最北端を示す碑 |
![]() 石川啄木歌碑 |
![]() モニュメント、裏から |
![]() 天童よしみ歌謡碑 |
![]() 来ました、海鮮丼 |
![]() 乗っけてみました |
![]() |
![]() |
単に土産物屋なのだが本州最北端であることのこだわりは強い | |
![]() 端同士の連係もあるらしい |
![]() 休憩所から |
![]() まぐろ直売所(営業してるのかなあ?) |
![]() 大間と灯台と俺 |
![]() 宿泊先の「サンホテル大間」 |
![]() マグロお造り |
以後翌朝 | |
![]() 大間港付近の光景 |
![]() 大間港付近の神社 |
チェックイン後に軽く飲みながらマグロをつまめる飲み屋はないかと港まで歩きながら 探してみたが、店が何もないに近い。道を入り込んだりしてちゃんと探せばあったのかも しれないが海が近いゆえか風が強い上に、雨も降り出した。強風の前に傘(家に忘れてきたので ホテルで借りたもの)が役に立たずにだいぶ濡れた。おとなしくホテルに戻り、 ホテル1階が定食もやっているので、ここでビール片手にマグロをつまむことに。 数百円のメニューが並ぶ中「3350円」とうたうマグロお造りに気が引けたものの、 輪島のカニではないが、ここまで来て食べないのももったいない。食べることにした。 「うん、おいしい」。舌でとろけると言うほどやわらかすぎるわけではないが、 ほどよいやわらかさというか。キンキンに冷えているわけでもなく。マグロ満喫の1時間。
7月28日(水) ---海を渡り北へ---
乗ったフェリー「ばあゆ」 |
船内風景 |
太平洋(?)と俺 |
フェリーと海とカモメと俺 |
見えてきた北の大地 |
恋人の聖地でうなだれる、恋人のいない人 |
オーシャンスタジアム-1 |
オーシャンスタジアム-2 |
自分の今回の写真はどうだったかな...? メイプルスタジアムの最初の写真は第一印象と一致しているな。 |
同じ北海道内ではないかと思うが函館から札幌までもまた遠い。電車に乗ること3時間以上。 ようやく札幌駅に着いた。今年の冬季オリンピックの時期に 「虹と雪のバラード」.を耳にして いろいろ思いをめぐらせた札幌。初めてではないが、その件以後では初めての札幌だ。
チェックインしてもよかったがまだ時間が少し早い。 一件、目的地をめぐってからチェックインすることにした。目的地は地下鉄で移動した幌平駅。 そこから歩いて、多少迷って、札幌南高校に到着。甲子園出場経験のある高校だ。 ただ経験があるというだけでなく、この学校は進学校で、特に北海道大学への進学者が多いと言う。 勉強ができる学校でいて甲子園にも出る。すばらしいではないか。
夕食はサッポロビール園へ。数年前の旅行時にビール園でビールとジンギスカンを 夕食にしてすごくおいしかったので、今回もまた、とうかがった。 なんだかビール園の中がいくつか施設があってシステムも複雑になっている様子。 前はそんなだったかなぁ? 前はなかった気がする総合案内センターみたいなところに とりあえず行ってみるが、まあ、特に相談には乗ってもらわず、案内地図みたいなので どの建物に行くか判断。普通にありつけた。前回は二人で来たのでジュウジュウ焼くにも わりと迫力あった気がするのだが、1人前だとボリュームもなんだかさびしいな。 ビールもお肉も、おいしくいただいたのだが。
ジンギスカン-1 | いらっしゃいました |
ジンギスカン-2 | 焼き始めました |
大通公園にて-1 | |
大通公園にて-2 |
7月29日(木) ---急転、帰京---
少し寒い中、起床。思えば酔って冷房をかけたまま、でもタイマーなどかけずに寝た気がする。
ホテルでバイキング形式の朝食。本当はこれが好きなのだが、今回は一関でも盛岡でも十和田湖でも大間でも、
朝が早くてホテルでの朝食は食べられずじまいだった。
食べ終わって部屋に戻って7時半ごろ。テレビで雨が強いと言っているし、外を見ても降っている。 やむ見込みがあるのかどうなのかなど、現地のことはあまりよくわからなかったが ひとまず円山球場に電話。本日の社会人野球北海道大会は、中止にするかまだ決まっていないと言う。 う〜む、中止ならどうするか。週末に予定があるので滞在を延ばすのは無理だ。 もともとの予定は今日夕方札幌発の北斗星で上野駅に向けて帰る予定。 ただ、野球観戦がなければ夕方までヒマだ。野球場だけ見て今日のうちに飛行機で 帰ってしまうか? 新千歳空港から羽田空港への空の便。便数は多くあるようなので 乗るのは可能だろうが北斗星と比べてどれくらい金額に差があるのか、 土地勘(?)がないのでピンと来ない。空港に電話してみたりする。割引なしで33000円くらいという。 まあ、痛いと言えば痛いが疲れも感じ始めているこの一人旅、もう帰っていいんじゃないかという 気にもなってきていた。再度円山球場に電話すると中止決定。こっちの行動も決定だ。 せめて球場を見ないことには、時間とお金をかけて札幌に来て、ビール園に行って 帰ってきただけの話になってしまう。地下鉄とタクシーで円山球場には行った。 しかしすごい雨だ。これは野球は絶対無理だな。中に入って記者席から写真だけ 撮らせてもらう。雨で景色もよくなかったせいもあるが、古くもなってきているだろうし、 ちょっと設備的にも厳しい球場かな。巨人が年に1回の北海道遠征で来ていた球場だし、 吉村の大怪我、メークドラマ発祥、などプロ野球を語る上でも欠かせない、 つまりは普通にプロ野球が開催されている球場ではあるが、設備的にちょっと厳しそう。 語弊があるかもしれないが、改修した(それからもわりと時間がたつが)保土ヶ谷球場の方が よさそうな気もする。観客席から観戦できればまた感じるものもいろいろ違ったのかも しれないが、雨の日にただ見に来ました、というのでは感じ方も弱いのかな。
行った球場リストを作ってからは、半ばそのリストの数を増やすような目的であちこちの 球場をめぐってきた。そのこと自体は悪いとは思わないし、そういう活動のおかげで 新たな発見ができたりしたことも多いのだが、本来の「野球をやる」「野球を見る」の 目的を果たさずにただ単に行きました、というのはあまりよろしくないな、とも思い始めた。 今回にしても一関運動公園は設備もそれなりに立派とも思うし、環境的にも好きになれそうな 要素はある。円山球場は歴史的にも知名度的にも見ておいていいはずの球場だ。 ただし結局、今回めぐった中では、一目ぼれ的に最も好きになったのが、一関運動公園よりも 設備は劣り、円山球場よりも知名度で大きく劣る東山球場だ。その独特な周辺環境も さることながら、やはり「自分が野球をしに行った」という要素も大きいと思う。 まあ、そうじゃないメイプルスタジアムも心に残ったので、一概には言えないのだが、 野球場をめぐる自分の活動に一石を投じたような一人旅にもなった。
まとめ
行ったことがない地、ということで青森県を中心に旅をした。
青森県と言っても十和田湖と大間だけなので満喫したとまで言えないのだが。
まあ、大自然に癒された、といったところか。
始まりが「一関大会で敗退したところから始まる」ということでいつ負けるか読めず、 それによって頭の中で何通りかのパターンは用意していた。 終わりが決まっていたので札幌から上野までの北斗星と、 札幌宿泊の札幌すみれホテルは予約していたが、他は流動的なので予約しなかった。 結果として、盛岡のルートインは一関大会敗退当日、十和田観光ホテルとサンホテル大間は 前日に電話しての予約だったが問題なかった。金曜日や土曜日ではないので、たぶん大丈夫 だろうという読みはあったが。
目指した十和田湖と大間は、いずれも公共交通手段でのアクセスがしづらい。 「最寄り駅」と言える電車の駅から、バスで1時間以上走らなければならないし、 その電車やバスだって本数が十分にあるわけでもない。電車がそこまで通っていない ことを考えれば「レールのない土地」に行ったととらえられる。 レールがない上に自分の旅は、予約も皆無ということで一見行き当たりばったりにも見えるが、 振り返ってみると「何パターンか用意したうちの1パターン」にぴったりはめただけで、 なんら不自然な意志決定をしていない。乗ったバス・電車、泊まったホテルも、訪れた場所も、 予約がないというだけであって予定通りではある。唯一、メイプルスタジアムからの帰り道が 柳沢駅ではなく一駅ずれて大曲駅になった誤算があるだけだ。 行き当たりばったりで行きづらい土地をまわったような珍道中にも見える今回の旅は、 実は自分が敷いたレールの上をタイムスケジュール通りにまわった旅だった。 最果ての地で気づいた、手詰まり気味の一人旅。これまた一石が投じられた。
地元に帰ってきてからNHKのテレビ番組をふと見た。「20minutes」とかいう番組で、 29歳の女性ディレクターが「ロストジェネレーションと言われる私たちは幸せなのかどうか」 みたいな問いから昔の同級生と連絡をとり、会って話して自らを見つめなおしてみる、 みたいな内容だった。現29歳の世代をロストジェネレーションと呼ぶことを知らず、 また、そのことに賛同はあまりできないものの、なかなか秀逸な内容だった。 何人かの同級生と別々に会い、女性ディレクターは必ず「今、幸せ?」と聞く。 答えは様々ではあるのだが、この問いは筆者に突きつけられてもまた難しい。 答えは「半分幸せ、半分不幸せ」といったところだ。今回のような旅を、勝手気ままに できることは幸せだ。見たいものを見て、食べたいものを食べて、誰にも気を使わず、 使うのは自分のお金を自分のために使うだけ。それが許容されること自体は幸せだ。 旅に限った話でなく、定職があって収入があって3度の食事が食べられて住む家があって それだけで幸せではないかという話になれば、当然幸せだ。
一方で、現状でよいかどうかという漠然とした不安もある。 さらに10年たっても20年たっても同じようなことをやっていたとしたら、それはそれで 果たして幸せだろうかと疑問もよぎる。今回紹介したゆったりした時間、 おいしそうな料理、見たいものを満喫している様は、半分は自慢したくてうらやましく 思ってほしくて紹介しているところはあるが、もう半分は「ある意味さびしい生き方だね」 「こうはなっちゃいけない」と思ってほしいという一面もある。 番組は「幸せの基準は人それぞれ、結局自分次第」みたいな、ありきたりと言えば ありきたりのまとめで終わるのだが、自分次第なんだということを気づかせる、考えさせる ことがこの番組が秀逸だった点だ。そしてタイミングよく旅から帰ってすぐ目にした 筆者はまさに、考えさせられることになった。 満喫して満足して帰ってきた今までの一人旅が、どうもそうでもなくなってきたのは 自分の感じ方・考え方の変化であるようだ。